目次
- 0.浮気・不倫による慰謝料の請求には証拠が必要
- 1.LINE(ライン)のトーク履歴は証拠になる?
- 1-1.トーク履歴が証拠となるケース
- 1-2.トーク履歴が証拠にならないケース
- 2.LINEのトーク履歴を不倫の証拠として残す際のポイント
- 2-1.LINEの画面を撮影する際のポイント
- 2-2.LINEの画面をスクリーンショットするのはNG
- 2-3.トーク履歴の転送にも偽装を疑われるリスク
- 2-4.LINEの画面は配偶者を説得して見せてもらう
- 2-5.不倫を認めたら自認書の作成や音声の録音を
- 3.証拠集めをするときにやってはいけないこと
- 3-1.スマホを勝手に盗み見る
- 3-2.IDやパスワードが必要なアプリにログインする
- 3-3.配偶者に気付かれてしまう
- 3-4.不倫相手に直接メッセージを送る
- 4.LINE以外に不倫の証拠になるもの
- 5.証拠の改ざんや捏造、違法な収集行為は絶対ダメ
- 6.弁護士に相談や依頼をするメリット
- 6-1.証拠の収集についてアドバイスを受けられる
- 6-2.不倫相手の調査と特定ができる
- 6-3.示談交渉をスムーズに進め、高額な慰謝料獲得を目指せる
- 6-4.調停や裁判になった場合の対応を任せられる
- 6-5.強制執行の煩雑な手続きを進めてくれる
- 7.弁護士法人プロテクトスタンスにご相談を
0.浮気・不倫による慰謝料の請求には証拠が必要
多くの人がSNSを利用する時代になりました。配偶者のLINEのトーク履歴から浮気・不倫が発覚するケースも少なくありません。
不倫の慰謝料を請求するためには、配偶者と不倫相手との間に肉体関係(不貞行為)があったことを示す証拠が必要です。それでは、LINEのトーク履歴は証拠になるのでしょうか。
この記事では、トーク履歴が証拠になるケースや、証拠を集めるときの注意点などを弁護士が解説します。
1.LINE(ライン)のトーク履歴は証拠になる?
そもそも不倫の慰謝料が認められるのは、あくまでも肉体関係(不貞行為)があった場合のみです。2人きりでご飯やドライブに行くことや、キスやハグという行為は不倫にあたると考える方も多いかもしれませんが、法的に慰謝料請求は認められません。
そのため、LINEのトーク履歴が証拠になり得るのは、配偶者と不倫相手の間に肉体関係があったことが明確に分かる場合です。メッセージによっては証拠として有効ではない場合もあるので、どのような内容が証拠になるのか、解説していきます。
1-1.トーク履歴が証拠となるケース
たとえば、次のようなメッセージは、肉体関係があったことが明確になるので、慰謝料が認められる証拠として扱われると考えられます。
- 肉体関係があったことが分かる内容
- ラブホテルで会う約束をしている内容
- 2人で旅行したことがわかるやり取りや写真
- 裸の写真や性交中の動画を送り合うやり取り
1-2.トーク履歴が証拠にならないケース
次のようなメッセージは、肉体関係があったことが明確ではないため、慰謝料が認められる証拠としては扱われない可能性が高いです。
- 食事やドライブに関する話題など、日常的な内容
- 肉体関係を想起させるものの、直接的ではない表現
- ハートなど、好意をあらわすスタンプ、絵文字
肉体関係があったことが明確に分かる内容がない場合は、配偶者の言い分次第で不倫の立証が困難になってしまうこともあります。可能であれば、ラブホテルに行ったことが分かる写真や領収書など、LINE以外の証拠も手に入れましょう。
また、肉体関係の決定的な証拠がないとしても、長期的に「離婚するから早く結婚しよう」「2人で会えて幸せだった」「愛している」などのトーク履歴が存在する場合は、「婚姻関係の平和を乱した」とみなされることもあります。
肉体関係を証明できる場合に比べると少額になりますが、慰謝料が認められる可能性はゼロではありません。慰謝料が認められるかどうか判断が難しい際は、弁護士に相談することをおすすめします。
2.LINEのトーク履歴を不倫の証拠として残す際のポイント
LINEのトーク履歴から不倫相手との肉体関係が明確なメッセージを発見した際、メッセージを証拠として残す必要があります。そのために、自分のスマートフォンで配偶者のLINEの画面を撮影する方法が考えられます。
トーク履歴を証拠として残す際のポイントや注意点などを解説します。
2-1.LINEの画面を撮影する際のポイント
LINEのトーク履歴が有効な証拠として扱われるために、画面の撮影時にいくつかのポイントがあります。
- 日付や時間、送信者が分かるように撮影する
いつ、誰と、どこで不倫が行われたのかを具体的に証明するため、やり取りが行われた日時や、配偶者・不倫相手のアカウントが分かるように撮影することが必要です。 - メッセージの前後がわかるように撮影する
やり取りが続いていることを明らかにするため、分割で撮影する際はメッセージの文頭と末尾の数行が重複するように写しましょう。スクロールさせて、動画撮影することも有効です。 - スマホ本体の機種やケースが写るように撮影する
配偶者に後から「そのスマホは自分のものではない」と主張されることを防ぐため、本体の機種やケースなどが映るように写真を撮っておくとよいでしょう。
2-2.LINEの画面をスクリーンショットするのはNG
LINEの画面を撮影するより、スクリーンショットをして自分のスマートフォンに転送したほうが綺麗に撮れそうですが、おすすめできません。スクリーンショットの画像では、配偶者から「偽造して作られた画像だ」と反論されてしまう可能性があるからです。
偽造を主張された場合、スクリーンショットの画像が本物であることを証明しなければいけません。そのため、自分のスマートフォンで配偶者のスマートフォンの画面を撮影したほうがよいでしょう。
2-3.トーク履歴の転送にも偽装を疑われるリスク
LINEでは、バックアップ機能を利用してトーク履歴の内容をデータとして保存し、転送することもできます。しかし、テキスト形式で保存されるため、簡単にデータを加工することができます。
そのため、LINEのスクリーンショットと同様、配偶者からデータの偽造を主張される可能性があるので、避けたほうがよいでしょう。
2-4.LINEの画面は配偶者を説得して見せてもらう
後ほど詳しく説明しますが、無断でLINEの画面を見たり、配偶者のアカウントにログインしたりする行為には、さまざまなリスクがあります。そのため、トーク履歴を証拠として残すには、配偶者を説得してLINEの画面を見せてもらう方法が安全です。
しかし、いきなりLINEの画面を見せるよう頼んでも断られるどころか、証拠隠滅のためにトーク履歴を削除されてしまうかもしれません。他の証拠も揃え、配偶者に突きつけたうえで、画面を見せるよう説得してもよいかもしれません。
なお、画面を見せるよう説得したのに応じてくれない場合でも、法的に開示を強制することは原則としてできません。LINEの運営会社に開示を請求しても、刑事事件で捜査機関が開示を要請するようなケースを除いて認められないでしょう。
2-5.不倫を認めたら自認書の作成や音声の録音を
トーク履歴の証拠などから配偶者が不倫を認めた場合は、「自認書」を書かせましょう。不倫の自認書とは、自分が不倫をしたことを認める内容を記載した文書のことで、不倫の有力な証拠となります。
自認書に決まった形式はありません。しかし、単に「○○さんと不倫した」という内容しかない場合、「肉体関係はなかった」などと後から否定されてしまう可能性があります。
そのため、次のような内容を記載するようにしましょう。
- 不倫相手と肉体関係を持った事実
- 肉体関係があった期間や回数、頻度
- 氏名や住所、連絡先といった不倫相手の情報
また、相手が不倫を認める発言を録音した音声も有効な証拠になります。不倫を自白させる際に、ボイスレコーダーを用意しておくことをおすすめします。
3.証拠集めをするときにやってはいけないこと
LINEのトーク履歴を証拠として残す際、やってはいけない行為があるため注意しましょう。
3-1.スマホを勝手に盗み見る
他人のスマホやパソコンを勝手に見たとしても、犯罪にはあたりません。しかし、プライバシーの侵害に該当します。
プライバシーを侵害しても、証拠の有効性には影響しない可能性がありますが、認められる慰謝料が減額されるリスクがあります。さらに、プライバシーを侵害されたことを理由に、配偶者から損害賠償を請求されるかもしれません。
3-2.IDやパスワードが必要なアプリにログインする
ログインIDやパスワードが必要なLINEやGmail、Yahoo!メールなどを無断で見た場合は、不正アクセス禁止法に違反する不正アクセスを行なったことなる可能性があります。ログインIDやパスワードがスマホに記憶されていて、自動でログインできる状態でも、「不正アクセス」に該当する場合があります。
不正アクセスを行なった場合、3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます(不正アクセス禁止法第3条、第11条)。不倫の証拠を集めようとして、法律に違反してしまうことがないよう注意してください。
3-3.配偶者に気付かれてしまう
不倫の証拠を集めていることを配偶者に気付かれてしまうと、隠滅を図られ、証拠を得ることが困難となってしまうおそれがあります。決定的な証拠が揃うか、不倫を自白する音声を録音したり、自認書を書かせたりするまでは、慎重に行動することが重要です。
3-4.不倫相手に直接メッセージを送る
トーク履歴から決定的な証拠が見つかると、大変な怒りを覚えるかもしれません。しかし、怒りに任せて不倫相手にメッセージを送ることもやめておきましょう。
不倫相手から配偶者に話が伝われば、やはり、証拠隠滅を図られてしまう可能性があります。
4.LINE以外に不倫の証拠になるもの
LINEのトーク履歴だけでは十分な証拠が得られない場合は、トーク履歴以外の証拠も集めておきましょう。また、配偶者にラインの画面を見せるよう説得する場面で、他の証拠を突き付けることができれば、説得に応じてもらえるかもしれません。
たとえば、次のようなものが不倫の証拠になります。
- 性交を記録した写真・動画・音声データ
- ラブホテル入室時の写真・動画・GPS記録・領収書
- カーナビなどの履歴・地点登録(不倫相手の自宅やラブホテルなど)
これら以外にも、さまざまな資料が証拠になり得る可能性があります。複数の証拠を積み重ねることで、より有効な証拠として扱われると考えられるため、できるだけ多く集めることをおすすめします。
5.証拠の改ざんや捏造、違法な収集行為は絶対ダメ
証拠がなかなか見つからない場合でも、証拠を改竄(かいざん)したり捏造(ねつぞう)したりする行為は絶対にしてはいけません。また、次のような違法行為によって証拠を収集することも避けるべきです。
- 配偶者の部屋や持ち物に盗聴器を仕掛ける
- 不倫相手の住居に侵入したり、カメラを設置したりする
- 日記や手帳などを盗み、証拠として勝手に提出する など
改竄や捏造、違法行為によって、有効な証拠として扱われず、慰謝料の請求が認められないどころか、罪に問われたり、逆に損害賠償を請求されたりするなど、多くのリスクがあります。
自分自身で証拠を集めるのが難しいような場合は、探偵事務所(興信所)に依頼してもよいでしょう。ただし、違法な方法で調査を行う探偵事務所もゼロではないので注意が必要です。
6.弁護士に相談や依頼をするメリット
不倫をされてしまったときは、弁護士に相談や依頼をすることで、スムーズな証拠の収集や、高額な慰謝料の獲得などが期待できます。不倫問題について、弁護士に相談、依頼するメリットをご紹介します。
6-1.証拠の収集についてアドバイスを受けられる
不倫の証拠は慎重に集めなければ、配偶者や不倫相手に気付かれてしまい、証拠隠滅を図られてしまう可能性があります。また、違法な方法で収集してしまった場合は、大きな不利益を受けてしまいます。
証拠が揃っていなくても、弁護士に相談すれば、集め方についてアドバイスを受けられます。すでに収集できている場合は、証拠として有効かどうかを判断してもらえます。
なお、自分自身で証拠を収集するのが難しい場合、弁護士法人プロテクトスタンスでは、信頼できる探偵事務所の推薦が可能です。ぜひお問い合わせください。
6-2.不倫相手の調査と特定ができる
不倫相手に慰謝料を請求する際、内容証明郵便を利用して書面により請求することが一般的です。しかし、LINEのトーク履歴などでは、相手方の本名や住所などを把握できないケースもあるでしょう。
相手方の情報が不十分でも、まずは弁護士へのご相談をおすすめします。弁護士であれば、「弁護士会照会」や「職務上請求」などの制度を利用し、電話番号やメールアドレス、自動車のナンバーといった情報から、住所や氏名の特定が可能です。
6-3.示談交渉をスムーズに進め、高額な慰謝料獲得を目指せる
慰謝料には一般的な相場があるものの、不貞行為の回数や婚姻期間の長さなど、個別具体的な事情によって金額が大きく異なります。
しかし、妥当な金額を判断するには、過去の裁判例から類似の事例を調べるなど、専門的な知識が求められるため、簡単ではありません。また自分で請求しようとすると、交渉を有利に進められず、本来認められる金額よりも大幅に少ない慰謝料しか獲得できない可能性もあります。
弁護士であれば、適切な慰謝料の金額を算出し、その金額を目指して交渉を進めてくれるので、最大限認められる慰謝料の獲得が期待できます。
また、弁護士が交渉の窓口となるため、相手方に直接連絡して自らやり取りするストレスを感じることがありません。相手方に対して感情的になってしまい、冷静に話し合いを進められない事態も回避できるでしょう。
6-4.調停や裁判になった場合の対応を任せられる
交渉が決裂して調停や裁判を行う場合、数多くの資料を作成したり、裁判所で調停委員や裁判官とやり取りしたりするなど、煩雑な手続きが必要です。
法律の知識がなければ適切に対応できず、自身に不利な内容になってしまうかもしれません。この点、弁護士であれば、調停や裁判への対応も可能ですので、安心して挑むことができるでしょう。
6-5.強制執行の煩雑な手続きを進めてくれる
調停で和解が成立して和解調書を作成したり、裁判で判決が確定したりしたのに、相手方が慰謝料を支払わなければ、強制執行の申し立てが可能です。強制執行とは、慰謝料などが支払われない場合、給与や財産などを強制的に差し押えて回収する手続きです。
しかし、強制執行を利用する場合、必要書類の準備だけでかなりの手間と時間がかかり、大きな負担になる可能性が高いでしょう。弁護士に依頼することで、ほぼすべての手続きを任せることができます。
7.弁護士法人プロテクトスタンスにご相談を
愛する人に裏切られることは、とても辛く、自暴自棄になってしまう方もいます。このコラムを読んでいる方は、辛いときにこそ自分自身を大事にして、守ってあげてください。
新たな人生を踏み出すためにも、与えられた苦痛に対して補償を受けることはとても重要です。
弁護士に相談するのは勇気がいるかもしれませんが、弁護士法人プロテクトスタンスでは、少しでも安心してご相談いただけるよう、次のような取り組みを実施しています。
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経験豊富な弊事務所までご相談いただければ、お気持ちに寄り添いながら、少しでも高額な慰謝料を獲得できるように尽力いたします。