Q.離婚の慰謝料を請求できるのは、どんな場合ですか?

離婚の慰謝料請求できるのは?

A.夫婦のどちらかに、離婚の原因となった有責行為があり、それによって離婚に至った場合、無責配偶者は有責配偶者に対して、慰謝料を請求することができます。

離婚の原因となった有責行為とは、たとえば、浮気や不倫による不貞行為の他にも、殴る蹴るなど身体的暴力や暴言を吐いたり無視をするといった精神的暴力などのDVや、多額の浪費・借金などがよくある例です。

慰謝料の金額についてはケース・バイ・ケースといえます。芸能人が離婚をした際には、多額の慰謝料がよく話題となりますが、多くの場合、慰謝料のほかに財産分与なども含まれているため、正しい慰謝料の金額が報道されているとは限りません。

離婚の慰謝料の算定目安には、次のような要素が考慮されます。

1.離婚を招いた有責性の悪質さ

双方に有責性がある場合は減額される場合もあります

2.無責配偶者の苦痛の程度

たとえば、配偶者の有責行為が原因で、流産や自殺未遂をしてしまったなどの場合には、高額な慰謝料が発生する場合もあります。

3.結婚期間、未成熟子の有無

結婚期間が長ければ長い程、配偶者の有責行為、つまり裏切られた際の精神的ダメージは大きいといえます。

また、未成熟子がいた方が、これから一人で子どもを育てていかなければならない状況・不安を考慮して、慰謝料が上乗せされる要因になります。



ほかにも、当事者の社会的地位や資産の有無、離婚後の生活が経済的に自立できるかといった要素も考慮されることがあります。


「参考」裁判所の判決における慰謝料認容額

慰謝料認容額件数
0円104件
100万円以下32件
100万円を超え200万円以下56件
200万円を超え300万円以下61件
300万円を超え400万円以下8件
400万円を超え500万円以下32件
500万円以上8件
※判例タイムズ788号「東京地方裁判所離婚判決(1980年から1989年まで)にみる離婚給付の額・方法と決定基準」より引用

この記事を監修した弁護士

弁護士
金岡 紗矢香

弁護士法人プロテクトスタンス所属 (第一東京弁護士会 No. 56462)

早稲田大学法学部を卒業後、国内大手飲料メーカー勤務などを経て中央大学法科大学院法務研究科を修了(70期)。弊事務所に入所後は子育てをしながら弁護士として活動し、浮気・不倫の慰謝料請求や離婚・男女問題などの分野で活躍中。

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