Q.慰謝料を請求されたときに、やってはいけないことは何ですか?

A.不倫相手の配偶者からの慰謝料の請求は、ある日突然に届くものです。この場合、慌てず、焦らず、弁護士に相談することが何よりも大切ですが、ここでは、相手方に対してやってはいけないことを解説します。

(1)感情に任せて交渉すること

もしかしたら、あなたに「既に夫婦関係が破綻していると聞いていた」「もうすぐ離婚すると聞いていた」などの事情があるかもしれません。

しかし、感情的に交渉すると、相手方に不用意な発言や不適切な行動をしてしまうなど、事態がさらに悪化してしまう危険があります。


(2)請求を無視すること

たとえ、身に覚えがなくても(不貞行為をしていなくても)、不倫相手の配偶者からの慰謝料の請求を無視してはいけません。

無視し続ければ、訴訟を提起され、裁判になってしまう可能性が高まります。

無視せず、適切な対応をすれば交渉によって解決できる場合も多いものです。


(3)相手方に対してウソを言うこと

不貞行為の事実があったにもかかわらず、「肉体関係は無かった」などとウソを付いた場合、色々な証拠から不貞行為が立証されてしまい、逆に危険になります。

というのも、慰謝料を請求してきたということは、相手方が何かしらの証拠を握っている可能性が非常に高いからです。むしろ、ウソを付いてたことは慰謝料の増額事由になり得ますので、十分に注意してください。


(4)書類にそのままサインしてしまうこと

慰謝料の請求では、無理やり呼び出されたり、自宅まで押しかけられたりして、覚書(念書、和解書、合意書など様々)に署名することを強要される場合があります。

しかし、一度これらの書類に署名してしまえば、「無理やり書かされた」と主張しても、後からそれを覆すことは困難です。自分にとって不利な内容が専門的な法律用語で書かれているかもしれません。

このように、慰謝料を請求する書面が届いた場合には、自分で対処しようとはするのは得策ではありません。まずは落ち着いて、弁護士へ相談しましょう。

この記事を監修した弁護士

弁護士
金岡 紗矢香

弁護士法人プロテクトスタンス所属 (第一東京弁護士会 No. 56462)

早稲田大学法学部を卒業後、国内大手飲料メーカー勤務などを経て中央大学法科大学院法務研究科を修了(70期)。弊事務所に入所後は子育てをしながら弁護士として活動し、浮気・不倫の慰謝料請求や離婚・男女問題などの分野で活躍中。

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