Q.肉体関係がないのに慰謝料を請求されました。この場合でも慰謝料を支払わなければなりませんか?

A.突然、慰謝料を請求されて非常に驚かれたと思います。実は、浮気・不倫により慰謝料を支払わなければならない場合とは、相手との性交渉(肉体関係)があること、つまり、不貞行為があることが大前提です。

しかし、「不貞行為がないのに、相手の配偶者の思い込みで慰謝料請求をされた」とか「不貞行為がないのに浮気・不倫であると主張された」などのご相談は、よくあります。

実際に、過去の裁判例においても、肉体関係が無かったとしても、非常に親密な交際を継続したことにより、平穏な夫婦関係を破綻させた場合、不法行為にもとづく慰謝料の請求が認められた事例があります。

この点、LINEやメールで連絡を取り合い、親密なやり取りをしていたとか、一緒に食事をしただけとかであれば、慰謝料は認められません。

しかし、抱き合ったりキスをしたりするなどの恋愛関係があったり、(性交渉が無かったとしても)深夜に頻繁に密会していたり、高額な贈り物を繰り返しプレゼントしていたりする場合には、慰謝料の請求が認められる可能性があり得ます。

肉体関係がないのに慰謝料を請求された場合には、「問題ないだろう」と安易に自己判断せず、弁護士に相談してください。

この記事を監修した弁護士

弁護士
金岡 紗矢香

弁護士法人プロテクトスタンス所属 (第一東京弁護士会 No. 56462)

早稲田大学法学部を卒業後、国内大手飲料メーカー勤務などを経て中央大学法科大学院法務研究科を修了(70期)。弊事務所に入所後は子育てをしながら弁護士として活動し、浮気・不倫の慰謝料請求や離婚・男女問題などの分野で活躍中。

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