Q.お互い離婚に合意しましたが、未成年の子どもの親権をどちらが持つのか決まりません。親権はどうやって決めるのでしょうか?

親権としてふさわしいかの判断材料はいくつかあります

A.離婚をする際、二人の間に未成年の子どもがいる場合は、父親または母親のどちらかを親権者として定め、離婚届に記載して届け出をしなければ、離婚は成立しません。

そのため、当事者同士の話し合いで親権が決まらない場合は、離婚は成立しないことになり、家庭裁判所に対して離婚調停あるいは夫婦関係調整調停を申し立てて、子どもの親権をどちらかにするかが争われることになります。

しかし、調停においても、合意できない場合もあります。その場合、裁判官が「子の引渡しの判断基準」(判タ1100号182頁)や、心理学や教育に関する専門家によって行われる調査官の報告にもとづき、どちらが親権者としてふさわしいかを判断することになります。

裁判所は、調査官の報告書と下記の4つの要件を照らしあわせて、親権者を定めていきます。

1.監護の継続性

これまで、父親と母親のどちらが継続的に子どもの監護を行っていたか、また、これから将来に渡って、どれ程度子どもの監護に時間をかけられるかということです。

また、監護するだけではなく、どれ程度愛情をもって育てていたかという点も重視されます。

2.母性優勢の原則

赤子のときは、母乳で育てるのが生育上望ましいとされ、少なくとも乳幼児の間は、母親が育てた方が、子どもの情緒が安定になるという研究にもとづくものです。

男性差別ではないかという声もきかれますが、いわゆる「シングル・ファザー」より、「シングル・マザー」の方が圧倒的に多いのは、この原則が背景にある結果といえます。

3.子どもの意思の尊重

子どもが15歳以上の場合は、子ども自身の意見を聞かれる機会があります。15歳未満でも、子どもの意見を聞かれることもありますが、まだ正常な判断ができない年齢ということもあり、参考程度であることが多いです。

一方、子どもが15歳以上の場合は、子ども自身の意思が、他の要素より重要視される傾向にあります。

4.兄弟不分離の原則

どちらか、あるいは両方が幼い場合や、兄弟の仲が良い場合は、同じ親の元で育てる方が、子どもたちの精神衛生上好ましいとされています。



また、これら以外にも親の暴力や浮気・不倫などの離婚の原因となった有責性の有無や、経済面なども、どちらが親権としてふさわしいかの判断材料となります。