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慰謝料・離婚の法律用語集

姻族[いんぞく] とは?

婚姻によってできた親戚のことであり、自分と自分の配偶者血族や、自分の血族と配偶者との関係を指します。
日本では3親等以内の姻族を親族としています(民法第725条3号)。

離婚した場合、姻族関係は当然に終了します(同第728条1項)。しかし、配偶者が亡くなったことによって婚姻関係が解消しても、亡くなった配偶者の血族との間の姻族関係は当然には終了しません。

姻族関係を終了させるには、生存している配偶者が姻族関係を終了させる意思表示を行う、具体的には「姻族関係終了届」を市区町村役所に提出することによって終了します(同第728条2項、戸籍法第96条)。

たとえば、夫が死亡した場合、妻が姻族関係終了届を提出すれば、夫の舅や姑、義理の兄弟姉妹などとの縁を切り、親戚関係を法的に終わらせることができるのです。
昨今、テレビなどで話題となった「死後離婚」という言葉がこれにあたります。

ところで、この姻族関係終了届を提出する必要はあるのでしょうか。

考えられるのは、姻族の扶養義務を回避することです。家庭裁判所は特別な事情がある場合のみですが、姻族の扶養義務を負わせることができるとされています(同第877条2項)。

そのため、姻族関係終了届を提出しておけば、妻が亡夫の義理の父母(舅・姑)の扶養義務を負わされることもありません。ただし、姻族の扶養義務が課されることは非常に稀です。

近年、姻族関係終了届の提出件数は増加傾向にあります。
核家族化の進行とともに、昔ながらの親戚付き合いを煩わしく思ったり、家単位の意識が希薄化したりすることが背景事情としてあるのではないでしょうか。