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慰謝料・離婚の法律用語集 -は行-

は行の法律用語一覧

「は」から始まる用語

配偶者[はいぐうしゃ]

法律上の婚姻関係にある夫婦において一方から見た他方のことです。配偶者としての身分は婚姻によって取得し、婚姻の解消(離婚など)によって失われます。そのため、内縁関係(事実婚)にある者を配偶者とは呼びません。

配偶者は同じ氏を称し(夫婦同氏の原則、民法第750条)、互いに同居・協力・扶助する義務(同第752条)や、夫婦以外の異性とは肉体関係を持ってはいけないという貞操義務(同第770条1項1号)を負っています。

浮気不倫により配偶者以外の肉体関係を持つことを、貞操義務に違反するとして不貞行為と呼びます。継続的な不貞行為は法定の離婚原因(法定離婚原因)となり、不貞相手または配偶者に対して慰謝料を請求することができます。

配偶者暴力相談支援センター[はいぐうしゃぼうりょくそうだんしえんせんたー]

配偶者からの暴力(いわゆるDV)の被害に関する相談やカウンセリング、情報提供などの援助、暴力の防止や被害者の保護を図るために設置されている行政施設です。

各都道府県が設置している婦人相談所がその役割を兼ねている場合もありますし、各市区町村が独自に設置している場合もあります。

配偶者からの暴力は決して許されるものではありません。ひとりで抱え込み、悩んで、事態が深刻化する前にご相談ください。もちろん、私たち弁護士も力になります。

なお、配偶者暴力相談支援センターへのご相談の際には、事前に電話で連絡をしてから行かれることをお勧めします。

全国の配偶者暴力相談支援センター一覧(内閣府ホームページ)

判決書[はんけつしょ(はんけつがき)]

裁判所による判決の内容が書かれた書面のことです。一般的には「はんけつしょ」と呼ばれますが、裁判所関係者や弁護士の中には「はんけつがき」と呼ぶ方もいます。

離婚訴訟によって離婚した場合、家庭裁判所による判決確定後10日以内に「判決書謄本」やその他の必要書類も添えて、市区町村役場に離婚届を提出しなければなりません(いわゆる、裁判離婚・判決離婚)。

また、浮気不倫不貞行為に対する慰謝料請求訴訟について判決が下されたとします。この場合、判決内容に対して相手の不履行があり、強制執行するときには、「判決書正本」が必要となります。

なお、万が一、判決書の記載内容に文字の誤記や金額の計算ミスがあった場合には、裁判所の職権または当事者からの申立てにより修正を行います。これを判決の更正決定と呼びます。

判決確定証明書[はんけつかくていしょうめいしょ]

たとえば、浮気・不倫の不貞行為による慰謝料請求訴訟において、裁判所から判決が下されたとします。

そして、2週間以内に控訴などの不服申し立てがされなかったり、不服申し立てが受理されなかった場合に判決は確定します。

その判決が確定したことを証明する公的書類のことを、判決確定証明書と呼びます。

もっとも、慰謝料の請求やその強制執行手続で利用することはほとんどありません。むしろ、離婚訴訟などで家庭裁判所から判決が下された場合、その判決が確定したことを証明するのに使用します。

具体的には、判決確定後10日以内に、判決確定証明書と判決書謄本にその他の必要書類を添えて市区町村役所に離婚届を提出しなければなりません(裁判離婚・判決離婚)。

ただし、判決が確定したとしても、家庭裁判所から確定のお知らせが来るわけではありません。判決が下された家庭裁判所に「判決確定証明申請書」という申請書を提出して、判決確定証明書を発行してもらえるよう手続きする必要があります。

「ひ」から始まる用語

被告[ひこく]

民事訴訟を起こされた側、つまり、訴えられた側の当事者を被告と呼びます。

不貞行為により、不貞相手(浮気不倫の相手)へ慰謝料(不貞慰謝料)を請求する訴訟の場合は、不貞相手が被告となります。また、離婚訴訟の場合には、配偶者が被告となります。

これに対して、民事訴訟を起こした側、つまり、訴えた側の当事者を原告と呼びます。

非嫡出子[ひちゃくしゅつし]

婚姻届を提出していない男女の間に生まれた子どものことを非嫡出子と呼びます。民法上は「嫡出でない子」と表現されます(第779条、第790条2項)が、法律実務上は非嫡出子と呼んでいます。

非嫡出子の場合、父親が「自分の子だ」と認知の届け出をすることによってはじめて、法律上の親子関係が認められ、養育費などの負担義務が発生します。 認知されない場合、実際に生物学上の父親であっても、法律上は父親とは無関係な子どもになってしまいます。

そのため、認知という手続きは、養育費の請求や父親の財産の相続権などに関わってくる、子どもの将来にとって非常に大切なものです。

以前は、非嫡出子の法定相続分は嫡出子(婚姻関係のある夫婦から生まれた子ども)の半分とされていました。

しかし、このような取り扱いは法の下の平等を定めた憲法に違反するとの裁判所の違憲判断が下され、平成25年の民法改正によって、嫡出子・非嫡出子の法定相続分は同じとなりました。

なお、嫡出という呼び方にはマイナスなイメージがあることなどから、現在では「婚外子」という呼び方が徐々に浸透しつつあります。

「ふ」から始まる用語

夫婦同氏の原則[ふうふどうしのげんそく]

婚姻後の夫婦は、どちらかの氏を夫婦双方で名乗らなければなりません(民法第750条)。これを夫婦同氏の原則と呼びます。

ほとんどの夫婦の場合、婚姻後は夫の氏を名乗りますので、女性は婚姻時に氏を変更することになります。

婚姻届の提出によって新しい戸籍が作成され、氏を変えなかった方を筆頭者として、氏を変えた方が妻(または夫)と記載されます。
そして、離婚したときは、原則として婚姻前の旧姓に戻ります(復氏)。

夫婦同氏の原則は、戦前の家制度など歴史的な背景に由来していますが、諸外国では夫婦別姓を採用している国も数多くあります。

男女平等・女性の自立を妨げ、必ずしも夫婦が同氏である合理的な必要性があるのか否か、夫婦別姓についての民法改正の動きもあり、様々な訴訟も提起されています。

この点、最高裁は2015年(平成27年)12月16日、夫婦同氏について合憲とする初めての判断を示しました。ただし、最高裁の中でも違憲と判断した裁判官もおり、今後の行方が注目されています。

なお、このような事情もあり、現在では、氏を変えなくても済む事実婚を選択する男女も増えています。

復氏[ふくし(ふくうじ)]

離婚の場合、婚姻によって氏(姓)を変更した夫婦の一方が、離婚後に婚姻前の氏に戻ることをいいます。

離婚をすると、当然に元の氏に戻るため、復氏が原則となっています(民法第767条1項)。

ただし、氏は仕事などの社会的な活動・信用にも影響を与えてしまいます。
そのため、離婚後も婚姻中の氏を使い続けたい場合は、離婚日の翌日から3ヶ月以内に市区町村役所に届け出ることにより、引き続き使用することができます(同第767条2項)。詳しくは「婚氏続称」のページをご覧ください。

なお、離婚ではなく、配偶者との死別により婚姻が解消された場合には、市区町村役所に届け出を行うことによって、いつでも、復氏することができます。
離婚の場合と原則が逆になりますので、注意してください。

扶助義務[ふじょぎむ]

婚姻関係にある夫婦には、主に同居義務協力義務貞操義務・扶助義務という義務を果たす必要があります(民法第752条)。扶助義務は、そのうちの1つです。

扶助義務とは、夫婦間で互いを扶養する義務のことです。夫婦とその間の子ども(未成熟子)に対する経済的な扶養は、生活保持義務の程度が必要です。つまり、自分と同じ程度の生活水準を、相手に保障しなければなりません。

これは、別居中の婚姻費用や離婚後の養育費の支払いについても同様であり、生活保持義務の程度が要求されます。

婦人相談所[ふじんそうだんじょ]

配偶者からDV(ドメスティック・バイオレンス)を受けたり、モラハラを受けているような女性、離婚を考えている女性からの相談やカウンセリング、調査支援、一時保護などを行う行政施設のことです。法律により各都道府県に最低1つの設置が義務付けられています。

夫婦保護事業の一環として、女性からの様々な相談に応じていく中、2001年(平成13年)に制定された配偶者暴力防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)の影響も受け、DVやモラハラの問題についても積極的に取り組むようになっていきました。

各都道府県によって名称が異なり、たとえば東京都の場合、「東京都女性相談センター」と呼ばれています。各都道府県の婦人相談所については、下記のホームページをご覧ください。

全国の婦人相談所一覧(厚生労働省ホームページ)

不調[ふちょう]

日常用語では調子が悪いことを指しますが、法律用語では、調停が不成立に終わることを指します。

たとえば、離婚調停の場合、裁判官や調停委員が夫婦それぞれの話をよく聞いて関係を調整しようとします。

しかし、調停成立の見込みがない場合は、調停不成立、つまり不調として調停が終了となり、不調調書が作成されます。

夫婦間ではじめから離婚条件について合意する見込みがなく、離婚訴訟が必要な場合であっても、制度上、離婚調停の手続きを経なければなりません(調停前置主義)。

そのため、調停を早期に不成立にさせたい場合には、裁判官や調停委員にあらかじめその旨を伝えておくとよいでしょう。

離婚調停が不成立に終わった場合、夫婦で離婚についてもう一度話し合ってみること(協議離婚)もできますが、多くの場合、離婚訴訟に移行することになります。

この点、調停が不成立になってから、2週間以内に離婚訴訟の訴えを起こすことができれば、調停の申立ての時点で訴えが提起されたものと扱われますので、離婚調停のときに納めた手数料を、離婚訴訟の手数料に充当することができます。

なお、離婚調停には「取り下げ」という終了のさせ方もあります。申立人は、調停の途中で、離婚調停の申立て自体を取り下げてしまうことができます。

この場合、相手方の同意は不要となります。ただし、調停を取り下げると、はじめから調停がなかったことになりますので、注意が必要です。

不調調書[ふちょうちょうしょ]

たとえば、離婚調停の場合、夫婦間での話し合いが平行線を辿るなどして合意が見込めない場合、その調停は不成立(不調)となります。

このときに作成されるのが不調調書です。

調停が不成立に終わった場合、夫婦間で離婚についてもう一度話し合い、協議離婚が成立すればよいのですが、ほとんどの場合は離婚訴訟に移行することになります。

実は、この不調調書は離婚訴訟を行うために必要となります。なぜなら、離婚訴訟を起こすには、まず離婚調停を先に行わなければならないからです(調停前置主義)。

なお、不調調書には、調停が不成立で終わったことのみが記載され、調停の経緯や不成立となった理由などは記載されていません。

不貞行為[ふていこうい]

不貞行為とは、配偶者のある人が配偶者以外の人と自由な意思にもとづいて、肉体関係を持つこと、具体的には性交渉を行うことをいいます。

単に、一緒に食事に行っただけや、キスやハグなどの行為だけでは不貞行為とは認められないのが原則です。日常用語でいう浮気不倫という言葉よりも、狭い意味で使いますので、注意してください。

不貞行為に対しては、不貞相手または配偶者に対して慰謝料を請求することができます。もっとも、配偶者に対して慰謝料を請求する場合、離婚するのが現実的です。

不貞行為があったという確実な証拠があればよいのですが、ラブホテルに一定の時間滞在したり、外泊を伴うような旅行をした場合は、仮に不貞行為がなかったとしても、不貞行為があったと判断され、慰謝料の請求が認められる場合もあります。

逆に、慰謝料を請求された側が、実際は不貞行為を行っていなかった場合は、不貞行為を行っていなかったことを自ら証明する必要があります。

なお、不貞行為を行うよりも前に、夫婦関係がすでに破綻していた場合、慰謝料を請求することは難しくなります。不貞相手が、既婚者であることを認識していなかった場合にも、慰謝料が認められない可能性があります。

不貞行為は、法律上の離婚原因(法定離婚原因)の1つです。継続的な不貞行為があれば、裁判による離婚が認められます。ただし、いわゆる、お酒の勢いとか、ほんの出来心で一度だけ肉体関係を持ってしまったという場合は、離婚が認められない可能性があります。

さらに、婚姻関係にある夫婦でなくても、婚約者または内縁事実婚のパートナーが不貞行為を行った場合、慰謝料請求が認められる場合もあります。

不倫[ふりん]

日常用語では、既婚者が配偶者とは別の異性と交際することを指します。「浮気」と同じような意味で使われます。

しかし、不倫も浮気も、法律用語ではありません。法律用語では、配偶者のある人が、配偶者以外の異性と自由な意思にもとづいて性的関係を持つことを「不貞行為」と呼んでいます。

この点、一緒に食事に行っただけや、キスやハグなどの行為だけでは、浮気や不倫に該当することはあっても、不貞行為とは認められないのが原則です。あくまでも、性的関係(肉体関係)を結ぶことが必要なのです。

そして、不貞行為に対しては、不貞相手(つまり、不倫相手)または配偶者に対して慰謝料などの損害賠償を請求することができますし、裁判上の離婚原因にもなります(民法第709条、同第770条1項1号)。

もしも、不貞行為を行うよりも前に、夫婦関係がすでに破綻していた場合、慰謝料を請求することは難しくなります。また、不貞相手が、既婚者であることを認識していなかった場合にも、慰謝料が認められない可能性があります。

なお、性的関係の事実が無かった場合でも、婚姻関係を破綻に導く可能性のある行為であれば、慰謝料が認められる余地はあります。

過去にも様々な裁判例が出ていますし、証拠の収集状況や具体的な主張・立証方法(相手方との戦い方)でも、結論は変わってきます。詳しくは弁護士にご相談ください。

「へ」から始まる用語

別居[べっきょ]

法律では、夫婦は同居し、互いに協力(扶助)しなければならないと定めてあります(民法第752条:同居義務)。

ところが、結婚後、すれ違いなどが生じて、別々の所に住むようになることがあります。このことを「別居」といいます。

また、同じ家に住んでいたとしても、寝室が別々であったり、食事を一緒に取らない、会話が全くないなど、夫婦としての同居生活の実態がないことを、「家庭内別居」ともいいます。

別居(家庭内別居も含む)が長い間、具体的には3年間ほど継続すると、法定離婚原因の一つである「その他 婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当する可能性が高くなるといわれています。

なお、別々に暮らしているといっても、離婚が成立しない限り、法律上の夫婦関係は継続しているので、生活費などの婚姻費用分担義務は発生しますし、子どもがいれば養育費の支払いも必要です。

また、別居しているとはいえ、単身赴任などの仕事の都合上や、家族の介護など、やむを得ない状況がある場合には、離婚が認められるとは限りません。

「ほ」から始まる用語

法定離婚原因[ほうていりこんげんいん]

当事者の話し合いによる離婚(協議離婚)や、調停による離婚(調停離婚)の場合、当事者双方が離婚に合意しなければなりません。しかし、これらでも合意ができない場合は、離婚訴訟を起こし、裁判所に離婚の可否を求めていくことになります(裁判離婚)。

離婚裁判は、協議離婚や調停離婚と異なり、相手の意思に反しても離婚を成立させてしまうため、離婚が認められる理由は限定的です。

具体的には、民法に列挙されている5つのみであり、この5つを法定離婚原因(法定離婚事由)と呼んでいます。また、「裁判上の離婚原因」と呼ぶこともあります。


民法第770条1項

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。


裁判離婚が認められるためには、この5つの離婚事由のいずれかに該当しなければなりません。たとえば、浮気不倫による不貞行為が典型的です。

ただし、5つの離婚事由に該当したからといって、離婚が認められるとは限りません(同条第2項)。そのため、離婚裁判を起こす場合には、これらの離婚事由があるかどうかを慎重に見極めなければなりません。詳しくは弁護士までご相談ください。

母子福祉資金貸付制度[ぼしふくししきんかしつけせいど]

子どもを連れて離婚する場合、慰謝料や財産分与も重要ですが、最も心配なことは生活費など経済的な心配かと思います。

特に、結婚を機に専業主婦となった方が世帯主として新たな生活を送るためには、仕事や住居探しから生活の安定まで、周囲のサポートが必要です。

この点、公的なサポートの1つとして、シングルマザーやシングルファザーのために、母子(父子)家庭となってしまった方が、就労や子どもの就学などで資金が必要になった場合、地方自治体から貸し付けを受けることができます。
これが母子福祉資金貸付制度です。

生活資金、住宅資金、転居用の資金、就職支度金や、子どもの修学資金、就学支度金など様々な種類の貸付制度があります。

各自治体によって金額や利率、連帯保証人の有無など貸付条件は異なりますので、詳しくは、お住いの市区町村役所までお問い合わせください。