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慰謝料・離婚の法律用語集 -な行-

な行の法律用語一覧

「か」から始まる用語

内縁[ないえん]

夫婦関係を成立させる意思(婚姻意思)があり、事実上の夫婦共同生活を送っているものの、婚姻届を提出していない男女関係のことです。事実婚とほぼ同じ意味で使われます。

内縁関係であっても、法律上の婚姻関係のある夫婦と同様の権利や義務を一定の範囲内で有するものとされています。婚姻費用の請求や、内縁関係の解消に伴う財産分与、相手の浮気不倫不貞行為による慰謝料請求などです。

そのため、内縁関係と単なる同棲との区別が重要ですが、第三者からは客観的な区別が付きにくいものです。ここでは、内縁関係が認められるための証明資料について解説していきます。


(1)住民票の続柄が「妻(未届)」または「夫(未届)」である。

(2)健康保険の被扶養者、国民年金の第3号被保険者になっている。

(3)給与明細書の記載事項に、扶養手当や家族手当などの記載がある。

(4)同居物件の賃貸借契約上に「内縁の妻(または夫)」や「妻(または夫)(未届)」「婚約者」などの記載がある。

(5)結納を済ませている、結婚指輪を購入している、結婚式や披露宴を準備または実施している。

(6)携帯電話の家族利用サービスに申し込んでいる、クレジットカードで家族カードの発行を受けている。

(7)結婚契約書(婚前契約書)を取り交わしている。


これらの他にも、男女2人を連名の宛先として届いた年賀状、まとめて2人分一緒に購入した家具などのレシート、家計簿の存在、相手とのやり取り(LINE、メール、音声録音など)、親族や友人の証言なども内縁関係の証明資料になり得る場合があります。

このように、内縁関係の証明手段は様々なものがありますし、具体的な事情を総合的に勘案して判断されます。この資料があれば内縁関係を必ず証明できるというものではありません。

弁護士法人アドバンスには、内縁解消に伴う慰謝料請求に関するご相談が数多く寄せられております。少しでもご不安がありましたら、弁護士にご相談ください。

内容証明郵便[ないようしょうめいゆうびん]

内容証明郵便とは、郵便物の内容、差出人、受取人、差出日、受取人への配達日といった日付や事実を郵便局が証明してくれるサービスです。受取人からの「そんな書類は受け取っていない、見ていない」といったトラブルを防ぐことが可能になります。

そのため、内容証明郵便は、契約を解除したり、未払いの料金を請求したり、消滅時効の完成を中断する場合などに利用されます。

その他にも、浮気不倫不貞行為による慰謝料を請求する場合や、別居中の配偶者に対して、明確に離婚の意思表示をする場合などにも利用されます。

内容証明郵便は、通常の手紙のように紙で差し出す場合とインターネットで差し出す(いわゆるe内容証明)場合の2種類があります。

いずれも、厳密に決められた様式があります。たとえば、紙の場合は、縦・横の文字数に指定があり、e内容証明の場合も、一定の余白を設けなければならないなどのルールがあります。

また、内容証明郵便は、相手方に対し「お金を請求する」「契約を解除する」といった強い意思表示をすることになりますので、相手に心理的なプレッシャーを与えることができます。
逆に、内容証明郵便を送ることで新たなトラブルが発生したり、差出人が不利になってしまうこともあります。

内容証明郵便の送り方や記載例については、インターネットや市販の本などで簡単に調べることができます。しかし、内容証明郵便はあくまでも法的な要求や交渉の一部として利用されるものです。

弁護士に作成を依頼すれば内容に間違いがありませんし、弁護士の名前で送ることで最も効果的なインパクトを与えます。

「に」から始まる用語

人証[にんしょう]

証拠の種類に関する呼び方であり、人的証拠の略称です。これは、訴訟などにおいて当事者本人や証人、鑑定人などによる陳述内容を証拠とすることを指しています。

当事者本人の場合は本人尋問が、証人であれば証人尋問が行われます。「じんしょう」と呼ばれることもあります。これに対して、紙に書かれた証拠を書証(しょしょう)と呼びます。

離婚訴訟の場合、本人尋問が最もストレスのかかる不安な手続きではないでしょうか。この点、弁護士に代理人を依頼していれば、本人尋問を成功させるために、弁護士と事前に綿密な打ち合わせや想定練習をすることができます。

また、事情をすべて理解している心強い味方である弁護士が法廷内の傍にいるだけでも、心の準備がまったく違います。

認知[にんち]

婚姻関係にない相手との子どもについて、父親と法律上の親子関係をはっきりさせることを認知と呼びます(民法第779条)。

婚姻届を提出している夫婦の間に生まれた子どもは、その夫婦の子どもであると当然に推定されます(同第772条1項)。

しかし、結婚していない男女の間に生まれた子どもの場合、母親との関係は分娩によって明らかですが、父親との親子関係は、認知という手続きを行わない限り、法律上の親子関係が認められません。

そのため、子どもの出生届を提出しても、母親は戸籍に氏名が記載されますが、父親の欄は空欄のままとなります。そこで、認知をすることで、子どもの戸籍上の父親の名前が掲載されるようになるのです。

認知が行われると、子どもは父親に対して法律上の父子関係を根拠とした様々な請求を行うことが可能となります。

具体的に、認知により大きく変わるのは子どもの相続権です。婚姻関係にない男女間に生まれて認知された子どものことを非嫡出子と呼びますが、非嫡出子は父親の財産を相続できるようになります。

つまり、認知されない場合は、実際に父親であっても、法律上の父子関係は無関係であることから、相続ができないのです。

以前は、非嫡出子の法定相続分は嫡出子(婚姻関係にある夫婦から生まれた子ども)の半分とされていました。
しかし、このような取り扱いは法の下の平等を定めた憲法に違反するとの裁判所の違憲判断が下され、2013年(平成25年)の民法改正によって、嫡出子・非嫡出子の法定相続分は同じになりました。

なお、認知には、父親が自ら役所に「認知届」を提出する方法(任意認知)と、父親が認知しない場合に、調停や訴訟など家庭裁判所の力を借りて強制的に親子関係を確定させる方法(強制認知)とがあります。

弁護士へのご相談として多いのは、婚姻届を提出していない事実婚の女性からの認知に関するご相談や、浮気不倫相手が妊娠した場合の認知に関するご相談です。

認知請求権[にんちせいきゅうけん]

父親が認知しない場合、家庭裁判所に調停を申し立てり、訴訟を提起したりして、認知を求める請求をすることができます(民法第787条)。いわゆる、強制認知の手続きです。

このような請求ができるのは、認知請求権という権利を基礎としているからです。そして、この認知請求権は、人の身分に関する大切な権利であるため、個人が自由に放棄・処分したりすることはできません。

たとえば、不倫相手の子どもを妊娠してしまい、出産することを選んだとします。ところが、不倫相手から、解決金と引き換えに「認知を請求しない」とか「認知請求権を放棄する」などといった内容を含む合意書へのサインを求められ、経済的な必要性から、合意書にサインをしてしまい、お金を受け取ってしまうケースがあります。

このような場合であっても、認知請求権の放棄は法律上無効であり、後から認知請求を求めることは可能ですし、認知請求訴訟を提起することが認められています。

過去の裁判例では、認知請求権の放棄の対価として母親が1,500万円の解決金を受領し、受領3年後に認知請求訴訟を起こした事例において、認知請求は権利濫用には当たらず、認知請求を認めたものがあります(名古屋高裁判決S52.10.31)。

認知は、生まれてくる子どもの養育費の請求や相続権などに影響する大きな法的手続です。同棲や内縁関係(事実婚)中での妊娠や、浮気不倫による妊娠など、認知に関するトラブルは、弁護士までご相談ください。