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慰謝料・離婚の法律用語集

仮処分[かりしょぶん] とは?

離婚する夫婦のどちらか一方が、共有している財産(共有財産)を、離婚前に無断で使用されないように防ぐ保全手続きのことです(民事保全法第23条1項)。

離婚する際には、婚姻中に築いた共有財産をどのように分け合うか決めなければなりません(民法第768条1項)。これを、「財産分与」といいます。

しかし、財産を隠す、または、お金に換えて浪費してしまうといったことが起こる場合があります。
この、金銭以外の財産を勝手に売却することを防ぐ方法が、「仮処分」です。

また、預貯金などの金銭については、同じ保全手続きである「仮差押え」の手続きを行うことにより、勝手に使われてしまうことを事前に防ぐことができます。
たとえば、夫婦で築いた預貯金をどちらか一方が勝手に使うことが予想できる場合、仮差押えの手続きを行い、事前にその使用を禁じることができます。

この2つの保全手続きの違いは、対象の財産が金銭かそれ以外の財産かという点にあります。

なお、仮処分や仮差押えの対象は、双方とも夫婦が婚姻中に築いた財産に限ります。
婚姻前からすでにある財産や婚姻中に自己の名で得た財産(特有財産)を対象にこの保全手続きを行うことはできない点に注意が必要です(同第762条1項)。