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慰謝料・離婚の法律用語集

胎児認知[たいじにんち] とは?

子どもが胎児の状態のとき、つまり、母親が子どもを妊娠中に行う認知を胎児認知と呼びます(民法第783条1項)。
認知には、任意認知強制認知がありますが、胎児認知は任意認知の場合に認められています。

胎児認知は出生により効力を発揮しますが、胎児の段階で父親との間の父子関係を確定できることが最大のメリットです。

そのため、子どもが生まれる前に父親が亡くなったような場合でも、出生後に父親の財産を相続することができますし、子どもが生まれる前に離婚した場合でも、出生後に養育費などを請求することができるようになります。

また、昨今で利用されやすいシチュエーションとして、「外国籍の女性と日本国籍の男性の間に子どもが生まれる場合」が多い傾向にあります。
これは、母親が日本人の場合、子どもは当然に日本国籍を取得しますが、母親が外国人で、かつ、婚姻関係にない場合は、生まれてきた子どもの父親は法律上確定していないため、当然には日本国籍を取得できないからです(国籍法第2条)。

胎児認知は、妊娠の判明後であればいつでも可能です。ただし、胎児の胎動が確認できて母子手帳の交付が行われる、妊娠8週目以降に認知届の提出を行うことが一般的です。

なお、胎児認知の手続きでは、認知する父親が届け出を行います。
父親の戸籍謄本、印鑑、本人確認書類を添えて、母親の本籍地(母親が外国籍の場合は住所地)を管轄する市区町村役場に認知届を提出します。
また、胎児認知の場合、認知届に母親の署名捺印による同意も必要です。