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慰謝料・離婚の法律用語集

認知[にんち] とは?

婚姻関係にない相手との子どもについて、父親と法律上の親子関係をはっきりさせることを認知と呼びます(民法第779条)。

婚姻届を提出している夫婦の間に生まれた子どもは、その夫婦の子どもであると当然に推定されます(同第772条1項)。

しかし、結婚していない男女の間に生まれた子どもの場合、母親との関係は分娩によって明らかですが、父親との親子関係は、認知という手続きを行わない限り、法律上の親子関係が認められません。

そのため、子どもの出生届を提出しても、母親は戸籍に氏名が記載されますが、父親の欄は空欄のままとなります。そこで、認知をすることで、子どもの戸籍上の父親の名前が掲載されるようになるのです。

認知が行われると、子どもは父親に対して法律上の父子関係を根拠とした様々な請求を行うことが可能となります。

具体的に、認知により大きく変わるのは子どもの相続権です。婚姻関係にない男女間に生まれて認知された子どものことを非嫡出子と呼びますが、非嫡出子は父親の財産を相続できるようになります。

つまり、認知されない場合は、実際に父親であっても、法律上の父子関係は無関係であることから、相続ができないのです。

以前は、非嫡出子の法定相続分は嫡出子(婚姻関係にある夫婦から生まれた子ども)の半分とされていました。
しかし、このような取り扱いは法の下の平等を定めた憲法に違反するとの裁判所の違憲判断が下され、2013年(平成25年)の民法改正によって、嫡出子・非嫡出子の法定相続分は同じになりました。

なお、認知には、父親が自ら役所に「認知届」を提出する方法(任意認知)と、父親が認知しない場合に、調停や訴訟など家庭裁判所の力を借りて強制的に親子関係を確定させる方法(強制認知)とがあります。

弁護士へのご相談として多いのは、婚姻届を提出していない事実婚の女性からの認知に関するご相談や、浮気不倫相手が妊娠した場合の認知に関するご相談です。