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慰謝料・離婚の法律用語集

認知届[にんちとどけ] とは?

婚姻関係にない父母との間に生まれた子どもと、その父親との間に法律的な親子関係を生じさせる手続(認知)を行うための戸籍上の届出書のことです。

(1)提出方法

認知をするためには、認知届に必要事項を記入して署名押印し、戸籍謄本や本人確認書類などの必要書類を添えて、市区町村役場に届け出ます(届け出の用紙は市区町村役場に備え付けてあります)。

また、提出先は、「届出人である父の所在地もしくは本籍地」または「認知される子の本籍地」の市区町村役場です。

ただし、子どもが胎児の段階で認知する「胎児認知」の場合は、その子の母親の承諾が必要になりますし、母親の本籍地の市区町村役場に提出しなければなりません。
なお、子どもがすでに成年になっている場合は、その子自身の承諾が必要になります。

(2)届け出する人

任意認知の場合は、認知をする父親が届出人となります。
強制認知裁判認知)の場合は、家庭裁判所に認知の調停や訴えを起こした人(たとえば、子ども)が届出人となります。

(3)認知の効果

認知した父親と認知された子どもの間に法律上の親子関係が生じますので、次のような法的な効果が発生します。

①戸籍の記載事項
父親の戸籍の身分事項欄に、その子を認知したことが記載されます。また、子どもの戸籍には父親の氏名が記載されます。
なお、胎児認知の場合、子どもが出生するまでは、父親の戸籍は空欄のままとなります。

②住民票の記載事項
認知した父親と認知された子どもの両方とも、続柄欄の記載事項に変更はありません。

③相続権
認知された子どもには、父親が死亡した場合の相続権が発生します。

④養育義務と養育費の支払義務
認知した父親は、その子に対する養育義務や養育費の支払義務を負います。
逆に、子どもが成人し、父親が高齢や病気になった場合などには、子どもが父親を扶養する義務が発生します。

⑤親権
認知前は母親が子どもの親権者でしたが、認知により、父親が親権を持つことができるようになります。

⑥面会交流権
もしも、父親が認知した子どもを直接養育していない場合、子どもに対する面会交流権が認められます。
ただし、面会交流権は親の権利であると同時に、子どものための権利である側面が非常に強いため、子どもの利益が最優先に考えられます。