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慰謝料・離婚の法律用語集

慰謝料的財産分与[いしゃりょうてきざいさんぶんよ] とは?

離婚に伴う財産分与で、浮気不倫DVなど、離婚の原因を作った側(有責配偶者)が、慰謝料を支払う分を加味して財産を分け合うことです。

財産分与は、婚姻中に夫婦で築いた共有財産を清算する観点から、それぞれの貢献度に応じて財産を公平に分け合う「清算的財産分与」が一般的な方法です。

清算的財産分与による割合は2分の1ずつが原則ですが、慰謝料的財産分与では、慰謝料を受け取る意味で、有責配偶者ではない側の財産の取り分を増やします。

1.慰謝料的財産分与とは別に、慰謝料も請求できる

最高裁判例(第2小法廷 昭和46年7月23日判決)では、財産分与が行われても、慰謝料を請求することは妨げられないと判断しています。

ただし、慰謝料的財産分与が行われた場合は、財産分与で受け取った額を踏まえて慰謝料の金額が算定されます。

たとえば、不倫により100万円の損害が発生した場合、清算的財産分与を行なっていれば、100万円の慰謝料を請求できます。

この点、慰謝料的財産分与を行ない、70万円分の財産を多く受け取っていた場合は、慰謝料として請求できるのは30万円にとどまります。
もし、慰謝料的財産分与として100万円分を受け取っていれば、慰謝料を請求することはできません。

2.慰謝料的財産分与と慰謝料では、請求期限が異なる

財産分与は離婚後でも、元配偶者に対して求めることが可能です。

ただし、離婚の成立後2年間という請求期限(財産分与請求権の時効)があります(民法第768条2項ただし書き)。
一方、慰謝料の請求権は離婚した日から3年で時効にかかります。

3.慰謝料的財産分与は弁護士に相談を

配偶者の不倫やDVなどを原因に離婚し、慰謝料を受け取りたいと考えている場合、財産分与の中で請求するか、または慰謝料として請求するか、請求額はいくらにするかなど、様々な法的判断や交渉力が必要です。

後悔しないためにも、ぜひ、離婚手続きに強い弁護士に依頼することをおすすめします。