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慰謝料・離婚の法律用語集

清算的財産分与[せいさんてきざいさんぶんよ] とは?

離婚する際に、婚姻中に夫婦で築いた共有財産を清算する意味で、それぞれの貢献度に応じて財産を公平に分け合う財産分与の方法です。

1.清算的財産分与を請求できる人

所得がない専業主婦(主夫)も、家事により家庭を守り、財産を築くのに貢献したとして、財産分与を求めることができます。
また、浮気不倫をしたなど、離婚の原因を作った側(有責配偶者)が求めることもできます。

2.財産を分け合う際の割合

清算的財産分与の割合は、夫婦それぞれの収入の割合にかかわらず、原則として2分の1ずつとされています。

ただし、夫婦の一方が、医師やスポーツ選手、経営者など、特別な資格や技術、能力を持っていたことにより、大きな財産を築いたような場合は、裁判により割合が修正されるケースもあります。

過去の裁判例で、財産分与の割合が修正されたケースを紹介します。

・ケース1(大阪高裁 平成12年3月8日判決)
夫が1級海技士で海上勤務が多かったことから多額の収入を得ることに寄与していたため、妻側の財産分与の割合を約3割とした事例

・ケース2(大阪高裁 平成26年3月13日判決)
医師であり、医療法人を経営していた夫と、妻の財産分与の割合について、夫6割、妻4割とした事例

このほか、離婚後の生活に経済的な不安がある配偶者に配慮して財産を分け合う「扶養的財産分与」や、有責配偶者が慰謝料を支払う分を加味して財産を分け合う「慰謝料的財産分与」などを行い、財産分与の割合を修正するケースもあります。

3.清算的財産分与の流れ

どのような割合で財産を分け合うかは、夫婦間の話し合いで決めます。
話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所に調停を申し立て、調停委員を間に挟んで話し合いを続けることができます。調停でもまとまらなければ、審判や訴訟を行い、最終的な裁判所の判断を仰ぐことが可能です。

少しでも有利な条件で財産分与を行うためにも、財産分与について話し合いや裁判などを行う際は、弁護士に依頼することをおすすめします。