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慰謝料・離婚の法律用語集

兄弟不分離の原則[きょうだいふぶんりのげんそく] とは?

離婚する夫婦に子どもが複数いる場合に、どちらか一方の親権に服するのが望ましいとする原則のことです。

協議離婚調停離婚において、離婚や離婚条件などに合意ができない場合、裁判所が親権者をどちらにするのがふさわしいかを判断します。
その判断基準の1つが、「兄弟不分離の原則」です。

子どもの精神衛生上、同年代の兄弟姉妹と一緒に育つ方がよいとされています。
年齢の近い人と感情共有できる環境の方が生育上望ましいのです。

そのため、原則として、父または母のどちらかが親権者として子どもたちを引き取ることになります。

ただし、協議離婚や調停離婚により親権を分け合うことに合意した場合、子どもが15歳以上であり兄弟姉妹と離れることに対して納得している場合など、一定の条件を満たすことで、例外的に兄弟姉妹の分離が認められます。

近年の裁判例においても、子の親権者を決める際には、「個々の未成年者ごとに個別具体的に検討すべき事柄である」と判断したことから、具体的な監護状況を考慮したうえで、子どもの福祉に適うよう柔軟に判断されることになります(東京高裁令和2年2月18日判決)。

親権者を決める際には、この他にも、「継続性の原則(監護の継続性)」、「子どもの意思の尊重」、「母性優先の原則」などの判断基準を用いて総合的に判断されます。

なお、現在では、子どもの置かれた生活環境の継続性を大切にする継続性の原則(監護の継続性)が重視されることから、子どもが複数いることのみを理由に親権者を分けないという判断は減りつつあります。

具体的な親権者を決める流れについては、こちらをご覧ください。

「浮気・不倫の慰謝料請求、離婚相談デスク」Q&A
親権はどうやって決めるのでしょうか?