慰謝料・離婚の法律用語集
- 審判離婚[しんぱんりこん] とは?
離婚調停において調停が不成立となったとしても、家庭裁判所の審判によって離婚を成立させる方法のことです。(家事事件手続法第284条1項)。
(1)審判離婚が利用される場合
審判離婚は、離婚それ自体は合意しているが、慰謝料や養育費の支払いといった離婚条件のわずかな食い違いがある場合などに、用いられます。
具体的には、以下のような場合に審判離婚を用いることが多いです。
- 離婚に合意しているものの、条件面でわずかな食い違いがあるとき
- 一方が病気などの理由で出頭できないとき
- 一方が外国人で帰国の予定が決まっているとき
- 子どもの親権を早急に決める必要性があるとき
- 双方が審判離婚による解決を希望しているとき
(2)審判離婚の手続きの流れ
調停不成立となった場合、家庭裁判所が離婚した方がよいと判断したときは、裁判所の職権で審判を行います。
そして、行われた審判の内容に納得できない場合、2週間以内に書面で異議を申し立てることができます。このとき、異議の理由は問われません。異議申し立てが行われた段階で審判離婚の効力が無くなりますが、異議申し立てされることなく2週間が経過すると、審判の内容は確定します。
確定後、10日以内に、住所地の役場に、「離婚届」「審判確定証明書」「審判書謄本」を提出して、手続きが終了します。
(3)審判離婚は利用されていない
以上のように、審判離婚は、当事者のどちらか一方からの異議申し立てにより、その効力が失われてしまいます。
そのため、離婚全体のうち、審判離婚が利用されるケースは1%未満にとどまっています。
なお、同じ意味で「離婚審判」と呼ばれる場合もあります。