慰謝料・離婚の法律用語集
- セックスレス[せっくすれす] とは?
長期間にわたって夫婦間で性交渉がない状態のことです。
夫婦間での話し合いや、家庭裁判所を交えた離婚調停などを通じ、配偶者が合意すれば、セックスレスを理由に離婚することが可能です。
それでも配偶者が合意しない場合は、離婚訴訟という裁判を起こし、離婚の可否を争うことになります。離婚訴訟で離婚を認めてもらうには、5つの法定離婚原因(法定離婚事由)のうち、いずれかに該当しなければありません。
セックスレスは、法定離婚原因のうち、「その他婚姻を継続し難い重大な事由がある」に該当するとして、離婚が認められる場合があります。1.セックスレスが理由の離婚が認められるケース
セックスレスを理由にした離婚が認められるのは、性交渉に支障がないにもかかわらず、配偶者が拒絶するケースです。
離婚が認められるセックスレスの期間について、明確な基準はなく、個別具体的な事情によって異なりますが、1年以上が目安になると考えてよいでしょう。
また、配偶者が浮気・不倫相手と不貞行為(性的関係)があることを理由に性交渉を拒絶している場合、不貞行為は法定離婚原因にあたるため、離婚が認められます。
一方で、次のような理由でセックスレスになっている場合、離婚は認められないと考えられます。
- 高齢などで自然に性交渉がなくなった
- お互いが性交渉を望んでいなかった
- 病気で性交渉ができなかった
2.セックスレスを理由に離婚する場合の慰謝料の相場
セックスレスを理由に離婚する場合、配偶者から離婚の慰謝料を受け取れる可能性があります。
慰謝料の額は個別具体的な事情によって異なりますが、100万円前後が平均的な金額です。事情によっては、慰謝料が高額になる可能性があります。たとえば、次のような事情です。
- 収入や社会的地位が配偶者より低い
- 配偶者の方が年上
- 初婚
- 婚姻期間が長い
- 子どもがいる
- セックスレスの期間が長い(3年以上など)
- 結婚してから一度も性交渉がない
- 配偶者に不貞行為がある
また、慰謝料が裁判で認められるには、性交渉を拒否されたことを書いた日記や、会話の録音など客観性のある証拠が必要です。
3.セックスレスを理由に離婚したい場合は弁護士に相談を
セックスレスを理由に離婚する場合、配偶者との話し合いや調停を通じて離婚に合意してもらうか、合意を得られない場合は裁判で争う必要があります。
裁判でセックスレスを理由にした離婚が認められるかといった点や、必要な証拠、慰謝料の金額などを判断するには、法的な専門知識が必要です。
裁判になれば配偶者側も弁護士に依頼することが考えられるので、話し合いや調停がまとまらなければ、弁護士に相談や依頼をしてもよいでしょう。
また、配偶者と顔を合わせたくない場合、話し合いや調停の段階で弁護士に依頼すれば、代理人という強い味方として、話し合いに参加してくれます。
弊事務所には、慰謝料請求や離婚問題に詳しい弁護士が多く在籍しております。ぜひ一度、お気軽にご相談ください。