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慰謝料・離婚の法律用語集

嫡出否認の訴え[ちゃくしゅつひにんのうったえ] とは?

夫との父子関係が推定される子ども(推定される嫡出子)について、夫が父子関係を争うための裁判上の手続きのことです。

嫡出推定規定による夫の父子関係は、あくまでも推定に留まりますので、夫は自分の子どもではないと親子関係を否定する訴えを家庭裁判所に起こすことができます。これが「嫡出否認の訴え」です。

  1. 誰が訴えを起こせるのか
    嫡出否認の訴えの提訴権者は、推定される嫡出子を出産した母親の夫に限られています。妻である母や子どもなど、他の人は訴えることができません(民法第774条)
  2. 訴えの相手方は誰か
    嫡出否認の訴えの相手方は、推定される嫡出子あるいは推定される嫡出子の親権を持つ母親になります。
  3. 訴えの期限はいつまでか
    嫡出否認の訴えは、夫が子どもの出生を知ってから1年以内に訴えなければなりません(同777条)。これは、子どもの身分の早期安定を図るためです。
    なお、夫が子どもの出生後に、その子どもが妻との間に生まれた嫡出子であることを承認した場合、子どもが生まれたことを知ったときから1年以内であっても否認権を失い、嫡出否認の訴えを起こすことができなくなります(同776条)。
  4. 訴えの手続きの流れ
    嫡出否認の訴えには、調停前置主義が適用されますので、まずは嫡出否認の調停を申し立てる必要があります。
    調停の手続きでは、家庭裁判所による調査主導のもと、夫の子どもではないと両者が合意できた場合は、合意にしたがった審判がくだされます。
    しかし、合意に至らなかった場合は、嫡出否認の訴えを提起し、父子関係を争うことになります。

なお、子どもや母親の方から父子関係を争いたい場合や、3.の訴えの期限を経過した後に父子関係を争う場合には、「親子関係不存在確認の訴え」という手続きを利用します。

弊事務所には、浮気不倫慰謝料離婚の手続きだけでなく、子どもの認知など親子関係の問題に詳しい弁護士も在籍しています。 どうぞ遠慮なくご相談ください。