コンテンツまでスキップ

慰謝料・離婚の法律用語集

法律婚[ほうりつこん] とは?

婚姻届の提出など、法律上必要とされる手続きを踏んだ婚姻のことです。法律婚が成立すると、戸籍上で正式な夫婦と認められます。

なお、夫婦と同様の共同生活を送っているものの、婚姻届を提出していない場合は、事実婚内縁の関係にあたります。

1.婚姻成立の要件

法律婚を成立させるためには、お互いに婚姻する意思の合致と、市区町村役場への婚姻届の提出が必要です。さらに、婚姻の妨げとなる法律上の事由(婚姻障害事由)が存在しないことが求められます。

婚姻障害事由には次のものがあります。いずれにも該当しない場合に法律婚を成立させることができます。

・婚姻適齢に達していない

婚姻適齢は男女ともに成年年齢である18歳です。18歳を過ぎていなければ婚姻することができません。

これまでの婚姻年齢は男性が18歳、女性が16歳で、20歳未満の未成年が婚姻する場合は親の同意が必要でした。

民法の改正により2022年4月から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたほか、女性の婚姻年齢が18歳となりました。成年年齢と婚姻年齢が男女とも18歳となったため、18歳を過ぎれば親の同意なしに婚姻できるようになりました。

・重婚である

日本では一夫一妻制となっているため、配偶者がいる人は、ほかの人と重ねて婚姻すること(重婚)が禁止されています(民法第732条)。また、重婚は刑罰の対象とされており、重婚罪が成立した場合、2年以下の懲役に科される可能性があります(刑法第184条)。

・相手が近親者である

直系血族や3親等内の傍系血族にあたる近親者との婚姻は認められません。

直系血族とは父母や祖父母、子どもや孫のことで、3親等内の傍系血族とは、兄弟姉妹、叔父叔母、甥姪などです。いとこなどの4親等以上にあたる親族とは婚姻が認められます。

2.再婚禁止期間は廃止(2024年4月)

女性が離婚後すぐに再婚して妊娠した場合、子どもの父親が元夫と再婚後の夫のどちらなのか、判断するのが難しくなる可能性があります。

そのため従来は、離婚した女性は原則として離婚後100日間の再婚禁止期間(待婚期間)を経過しなければ再婚することができませんでした。
夫と離婚した場合だけでなく死別した場合も同様です。

しかし、民法の改正により、再婚禁止期間は2024年4月1日から廃止されたため、女性は再婚禁止期間を待たずに再婚することができるようにました。

また、離婚後300日以内に生まれた子どもは元夫の子どもと推定される嫡出推定規定も見直されました。見直しにより、離婚後300日以内に子どもが生まれても、出産までの間に再婚していれば、新しい夫との子どもと推定されます。

ただし、再婚しないで離婚後300日以内に出産した場合は、元夫との子どもと推定されます。

3.「法律婚」と「事実婚・内縁」との違い

夫婦と同様の共同生活を送っていても、婚姻届の提出など、必要な手続きを経ていなければ、事実婚や内縁の関係にあたります。

事実婚や内縁の関係でも、法律婚と同じように同居義務扶助義務貞操義務婚姻費用の分担義務があります。また、パートナーに浮気不倫不貞行為があった場合は、慰謝料を請求することができます。

事実婚や内縁関係には法律婚と同様の権利が認められ、を変更する必要がないといったメリットもありますが、次のような点に注意が必要です。

  • パートナーが亡くなった場合、遺言が残されていなければ財産を相続することができない
  • パートナーとの子どもは非嫡出子婚外子)として扱われ、父親の財産を相続させるには父親の認知が必要
  • 所得税の配偶者控除や配偶者特別控除など、法律婚で認められる税制上の優遇措置が受けられない

4.配偶者・パートナーへの慰謝料請求は弁護士に相談を

法律婚の関係にある配偶者が浮気・不倫して不貞行為(肉体関係)がある場合、配偶者や浮気相手に慰謝料を請求することができます。法律婚ではなく事実婚・内縁関係の場合も同様です。

ただし、自分自身で慰謝料を請求しようとしても、感情的になってしまいトラブルが複雑化したり長期化したりする可能性が高いです。そのため、男女問題に詳しい弁護士に相談し、交渉を依頼することをおすすめします。

弁護士であれば、適切な慰謝料の金額を算出し、冷静に交渉を進めてくれるため、納得できる解決が期待できます。

弁護士法人プロテクトスタンスでは法律婚はもちろん、事実婚・内縁関係にある男女間のトラブルについても、多くのご相談とご依頼をお受けしてきました。豊富な実績により培ってきた交渉力には自信がありますので、ぜひ安心してご相談ください。